「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第73回全日本バレーボール高等学校選手権大会は10日、東京体育館で行われ、女子は就実(岡山)が大阪国際滝井を3-1で退け、25大会ぶり3度目の頂点に立った。
試合後のコートに並んだ就実の選手たちが、がっちりとつないだ手を前後に振り、マスクをしたまま笑顔で校歌を口ずさんだ。4大会前はストレート負けに終わった決勝で、大阪国際滝井を3-1で破り、25大会ぶりの選手権優勝。「辛抱強くバレーができて、私もびっくりしている。我慢強さが勝因」。前回優勝時のエースだった西畑美希監督は感慨深げに話した。
準決勝で負傷した主将の大賀みるく(3年)がベンチ登録を外れる緊急事態を全員バレーで乗り越えた。守りの要の欠場は大きな不安材料だったが、「大賀さんの分も勝ち切る思いでコートに立った」というセンター深沢つぐみ(2年)、双子の姉でエースの深沢めぐみ(2年)が発奮。第1セットから強打を重ね、2人で計49点を稼いだ。
大賀に代わって先発した平田美菜(3年)はレシーブで奮闘し、ブロックではチーム最多の3得点。第3セットを失って迎えた第4セットでは、163センチのアタッカー曽我紀美(2年)が強打を重ねて相手を突き放した。試合後は3階席から見守った主将に全員で手を振り、大賀は「頑張ってくれているのが伝わった」と涙ぐんだ。
西畑監督が重視する基本に忠実なバレーで準優勝した4大会前の決勝を見て、中学2年だった深沢姉妹は長野県から就実の系列中学に転入。大分県出身の曽我は「西畑先生に指導してもらいたい」と姉の美里さんも在籍した強豪の門をたたいた。
試合後は開口一番、「足が止まった部分はたくさんあった」と課題を口にした指揮官。多く残る主力を鍛え上げ、来年も優勝候補として戻ってくるだろう。
(奥村信哉)
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