西武は29日の中日戦(バンテリン)に1―0と辛勝。今季24試合目となった1点差試合を8勝16敗とし、渡辺久信監督代行(58)が就任し、2戦目で初白星を挙げた。
これしかないという〝弱者の戦い〟で開幕・楽天戦(3月29日・楽天モバイル)以来、今季2度目となった「1―0」の勝利をつかみ取った。
好投手・小笠原相手に2回、3回と得点圏に走者を送りながら、あと1本が出なかった西武打線。戦前の時点で12球団ワーストのチーム打率2割1分2厘、さらには〝同ブービー〟の118得点と決定力を欠くピストル打線だけに勝機はクリーンではない「いやらしい攻撃」でしか望めない試合展開だった。
そして6回、その場面が訪れた。岸が送りバントを失敗し、一死一塁から3番・外崎のカウント2―1の場面で渡辺代行がエンドランを仕掛けた。サインに忠実に従った外崎の打球は小笠原の外角チェンジアップを右におっつけたボテボテの二ゴロだった。
しかし一走・岸のスタートが抜群だったことでベースカバーに向かった二塁手・田中幹は逆を取られ捕球するのが精いっぱい。不利な体勢での捕球だったことを見逃さなかった岸はちゅうちょなく二塁ベースを蹴り、三塁を陥れた。
ソツのない攻撃で手に入れた一、三塁を蛭間が執念の三塁内野安打で得点とし、西武がどうしても欲しかった虎の子の1点をもぎ取った。
26日の緊急就任会見で渡辺監督代行が「何とかして1点をもぎ取っていく、相手チームにとったらすごくいやらしいチーム」と語った現有戦力の中で目指す野球を体現した格好だ。
勝利打点の蛭間は「隅田さんが頑張ってくれているのでどうにか応えたくて気持ちでいきました」と8回無失点で3勝目を挙げた先発左腕への思いを組み、一塁へ執念のヘッドスライディング。
また、この虎の子の1点を守った隅田も「龍世さんに感謝したいです」と振り返ったように、この日最大のピンチだった8回二死一、三塁で大島の飛球を三塁カメラマン席へ飛び込みながら捕球した佐藤龍の気迫のプレーに最敬礼した。
「9月にヤマが来るので、それまでにしっかり勝負できる位置まで上げていくためにみんなの力が必要」とは渡辺監督代行が口にした言葉だ。
松井稼頭央監督(48)の休養という大きな犠牲を払って再出発した〝渡辺西武〟。まずは思いをひとつにして反転攻勢への第一歩を踏み出した。
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